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| ナノバイオ標的医療は、「革新的治療薬」「新しい運搬システム」「先端標識化技術」を組み合わせることに よって病巣をピンポイントに攻撃し、生体に対する副反応を極力抑えて治癒に導くことのできる近未来の先端 医療です。 現在、岡山大学では、がん細胞を選択的に死滅させる遺伝子REIC/Dkk-3や、がん細胞だけを融解するウイ ルスTelomelysin などの革新的治療薬の開発を継続するとともに、これらの革新的治療薬の標的となる がん 細胞だけに治療薬を効率的に運搬する新しい運搬システムの開発を続けています。 また、先端標識化技術についても、蛍光遺伝子の利用や、全く新しい化学生物学の手法により、生体内で 起こっている生命現象を外部から分子レベルで捉えて画像化することにも成功しています。先端融合技術と して、物理エネルギーを活用した高密度焦点式超音波治療装置の併用によるがんの治療、ヒトの臍帯血に 由来する多機能性免疫細胞の応用によるがんの治療などの研究も進展しています。 |
新しい運搬システム |
● アデノウイルスベクター アデノウイルスベクターは、ヒト遺伝子治療に今まで最も多く使われている野生5型の 遺伝子改変ウイルスベクターで、遺伝子導入効率に優れ 安全性も実証されています。 まず、このアデノウイルスベクターを用いて、REIC/Dkk-3の遺伝子治療を行います。 ● 新規化学合成キャリアーとしての生分解性ポリマー 日東電工と協働して、従来のウイルス性キャリアーに代わる新しい遺伝子デリバリー システムを開発するため、臨床応用を目指した新規生分解性ポリマーの開発研究を 実施しています。現在、REIC/Dkk-3を治療遺伝子として用い、前立腺がん、悪性 中皮腫を対象とする前臨床研究を実施しており、その臨床応用が期待されています。 ● バイオナノカプセル がんをはじめとする広範な疾患に対し、ヒト肝臓由来細胞など、組織・細胞への標的 特異性を利用した安全な治療薬送達技術を開発するため、B型肝炎ワクチンに由来 するナノサイズのDDSベクター(バイオナノカプセル)の開発を進めています。 ● たんぱく質セラピー がん抑制効果を持つ たんぱく質を細胞内の特定の部位に導入する技術の開発に すでに成功しており、さらに たんぱく質だけでなく、核酸などの導入と、導入した 物質の機能発現の効率化に向けて開発を進めています。 ● 超効率的プロテイン・ベクターシステム 目的とする機能性ペプチドや、たんぱく分子を非常に高い効率でヒト細胞内に輸送・導入が可能な プロテイン・ベクター(Wr-T)を開発し、これを用いた たんぱく分子標的システムを すでに確立して おり、実効的制がん治療法に向けて研究を展開しています。 |
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![]() 革新的治療薬 |
● がん抑制遺伝子 (REIC/Dkk-3) REIC/Dkk-3は、前立腺がん、悪性中皮腫などの広範ながん種で がん細胞選択的に アポトーシスを誘導します。また、免疫賦活能を示す可能性もあり、現在ウイルス製剤の 他に たんぱく製剤等のヒトへの応用を進めています。 ● 腫瘍融解ウイルス (Telomelysin) 米国での第Ⅰ相臨床試験で得られた臨床データを基礎研究にフィードバックする ことにより、Telomelysin の抗がんウイルス機能を増強する改変や他治療との相互 分子機構の解析など、さらなる進化を目指した応用研究を進めています。 |
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![]() 先端標識化技術 |
● がん細胞のイメージング がん細胞を特異的に認識するペプチドの新しいスクリーニング 技術の開発と、ペプチドや たんぱく質に対する蛍光基の位置 特異的導入技術を開発しています。後者ではすでに基本技術が 完成しており、現在 実用化に向けて効率および簡便性を向上 させるための改良に取り組んでいます。 |
「先端標識化技術」 研究紹介ページ |
先端融合技術 |
● 高密度焦点式超音波治療装置 物理エネルギーを用いた前立腺がんの治療において実績を 有するタカイ医科工業と協働し、高密度焦点式超音波治療 装置による遺伝子導入の効率化と標的性の向上を図って います。 ● 次世代細胞治療 ヒト生体由来の多機能性免疫細胞である臍帯血HOZOTや末梢血由来の PERITを がん患者や自己免疫疾患の患者に対する細胞治療に応用するため 着実に研究を進めています。 ● 新規 in vitro 抗体作製システム 変異導入機能を細胞外からの刺激により可逆的にON/OFF制御できる、ニワトリB細胞株 DT40-SWを用いて、動物への免疫操作を必要としない迅速かつ効率的な in vitro 抗体作製 システムを開発し、がんをはじめとする疾患の治療や診断に用い得る抗体を取得することを 目的に研究を進めています。 |
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展 開 研 究 |
● バイオフィルムに対する標的医療 生体を含めて自然界のあらゆる界面(多くは液体と 固体の界面)に微生物は集簇してバイオフィルムを 形成して棲息しています。バイオフィルムの形成は 微生物が攻撃因子から逃れて種を維持するための 『生きる知恵』といえますが、環境感染として多くの 問題を引き起こしています。現実に、細菌バイオフィ ルムは院内感染、食品感染、都市感染などの多くの 環境感染の元凶となっており、その発育・伝播様式 と難治性はヒトの『がん』に類似しています。本拠点 でのがんに対するナノバイオ標的医療のコンセン プトと手法は、細菌バイオフィルムに対する新しい 治療・予防法の構築に展開可能と判断されます。 各種イメージング手法に基づいて、発育様式の解 析、新規抗バイオフィルム剤の探索とDDS、物理エ ネルギーの併用による標的性の向上をテーマとして 医療から社会環境までの拡がりのあるイノベーショ ンを展開していきます。 |